生活の観察

Reasoning in the Wild

バレーボールの技術的詳細を「映像」を通して観察するということについてのいくつかの覚書

深夜の夜泣き対応中はゼロ歳児がいつ起きて泣くかわからない不確実性があるので、作業必要時間が長く、かつ集中力が必要な作業をすることはできない。そういうわけで、頭を使わず、途中で作業をやめてもなんの支障もない、とはいえそれなりに楽しめるものと…

ルールを破っていいのは誰なのか

5歳児と近所の博物館に行った日のこと。暑いなか電動自転車の後ろに5歳児を乗せ、きゅうきゅうと軋む車輪の音を聞きながら坂を登り、目的地の駐輪場に到着した。さて降りてくださいな。あ、建物のなかに入るからマスクつけとこうな。暑いけどな。そういう…

路上に置かれたレンガとビールケースの意味:状況とその変化を説明する方法について

帰宅途中、商店街のアーケードのなかを歩いていたら、黄色いビールケースに入れられたレンガを見かけた。ビールケースには「おとし物です」と書かれた紙が貼られている。それを見て、「レンガが落としものなんて、なんかめずらしいな」と思い、写真を撮った。…

「切りたい」から「お手伝いしたい」へ:幼児の「社会参加の技法」の習熟

台所でコマコマと家事をしている僕のところにときどきやってきて、「なにかお手伝いしたい」と四歳児が言う。もっと具体的に「お皿一緒に洗いたい」と言うこともある。包丁なんかを洗っているときは「ちょっと包丁が危ないからなあ」と僕が返したりすること…

見えないものを(一緒に)見る力

列車のシールがたくさん貼ってあるシートを持ってきて、「どれがいい?」と四歳児が聞くので、僕は「ドクターイエローがいいかな」と返事をした。それに対して特にアクションもなく、四歳児はどこかに行ってしまったが、特に気にもとめずにスマホをいじって…

テーブルの上に積み上がった本と書類をどうするか。どうもしない。

年末だから掃除をしようとかいう面倒な心掛けの類をこれでもかと捨て去ってきたが、それはそれとして散らかりすぎだろう。研究室の惨状を目の前にして、さすがにそんなことを思ってしまう。 本ぐらいは本棚に戻すかと机上にとっ散らかった本を手にとれば、ど…

お片付けをめぐる親子の攻防

「そろそろおもちゃ片付けてね。掃除するから」 四歳児との暮らしでは、生活上の必要(たとえば掃除をするため)としつけのために頻繁に親は「片付けせよ」と子どもに言わねばならない。子どもはとにかくなんでも散らかす。生活上の必要の点から言えば、はっ…

解決を免れた問題ある人工物

部屋の窓にはブラインドがついていて、いつもどの紐を引っ張れば望ましい動作をするのかわからず、ちょっとした試行錯誤の時間が生じている。写真のように二本しか紐がないケースでは、一見してどちらを引っ張ったら望ましい動作をするのかはわからないが、…

推論の資源としての貼り紙

新型コロナウイルス問題により、私たちの対人距離についての日常実践は一時的なものかもしれないが、ずいぶんと変わってしまったという言説はそこかしこでみかける。確かにそうなのだろう。現時点でそんなに感染者が出ていない山口市でさえ、みんな他人の振…

手繋ぎと視界

商店街ってこんなに奥行きあったっけ 2歳と4ヶ月になる子どもが、ちょっと前から気が向いたときは手を繋いで歩いてくれるようになった。これは2歳児との外出経験に大きな変化をもたらした。より安全に歩けるようになったとか、親愛の情が高まったとかそう…

公共的な丸い石

おもむろに置かれた石とブロック 教育学部棟と国際総合科学部棟のあいだの短い通路に、丸い石がひとつ、ブロックがひとつ置かれている。ちょっと見にくいが、写真のとおり。丸い石は傘立ての近くにある。ブロックは丸い石からやや離れた右側にある。 いつご…

「うまく見ることができない町内図」を見る、ということ

壁に挟まれた町内図 山口駅から今市通りを抜け中央商店街まで行く途中にこんな「壁に挟まれた町内図」がある。ずいぶんといいかげんな仕事だなあと近くを通る度に思う。左のビルを建ててる間にどうにかできなかったのか。まあ外すのは面倒だろう。そして月日…

路上の持ち帰ってよいものと、そうでないもの

畑の横に積み上がった石と、そこに置いてあった空きのペットボトル 仕事を終えての帰宅途中。姫山沿いの道を自転車で走っていたところ、ふとこれ(上の写真)が目に入ったのだった。ペットボトルがポイ捨てされている。気まぐれな善意を発揮し、拾っていった…

曖昧な文の明確な理解

「横断歩道を歩く人が見えなくなる為駐車禁止とさせていただきます」 ゆめタウン山口のメイン入り口前の駐車スペースまわり4、5台分のスペースにいつからかそれぞれ1つずつ青いコーンが置かれ、それにこんな文言が書かれた張り紙が貼られている。 「横断歩…

事物の予期せざる媒介による道徳的判断への介入

山口大学前バス停 普段は自転車通勤なので、大学正門前にあるバス停ではあるが、ほとんど利用することがない。そもそも大学構内にもバス停はあるので、どうしてもバスを使わなくてはいけないときはそちらを利用することが多い。と言っておきながら、ついこの…

冗長と省略

山口線線路を覆う橋と、その手前の横断歩道 ぼんやりとこの道をまっすぐ抜けて温泉街の方に行こうか、それとも十字路を右折して、湯田温泉駅をかすめてドラッグストアに寄ろうか。ふと顔を上げると信号は青だった。ということは、あまり考える時間はないとい…